2002年1月20日(日) 東儀 秀樹 新春コンサート<第二部>(きららさん)

〜第二部〜

  東儀 秀樹 〔篳篥〕    東儀 九十九 〔笙〕     東儀 雅美 〔龍笛〕  
  大藤 桂子 〔チェロ〕   川井 郁子 〔ヴァイオリン〕 中村 幸代 〔ピアノ〕


  第二部は第一部とは一転して、幻想的なファンタジーの世界‥
  白い可憐なドレスを着た、美しい3人のミューズが奏でています。
  *<ミューズ>・・・(ギリシャ神話)ゼウスの娘で、学問・芸術などを司る9人の女神のそれぞれ。

  「うきぐも」
  有元利夫というバロックを愛した画家がいました。
  彼は16年前に他界しましたが、夢に満ち溢れた彼の絵からはいつでも優しい音楽が見えてくるのです。
  彼の残したたくさんの絵を想い出しているとき、自然に湧きあがった曲です。

  「空と海と」
  最後の遺唐使であった弘法大使の足跡を訪ねて旅をしたときに作った曲です。
  空海がこもって悟りを開いた言われる洞窟に、僕も入ってみました。
  中から外を見ると空と海だけが目にはいりました。

  東儀さんの出ない、中村さんのアレンジによるピアノ、ヴァイオリン、チェロだけの演奏。
  篳篥など雅楽器のない洋楽器のみの演奏は、まるでクラシックの名曲を聴いているような‥
  楽器が変わり、アレンジの仕方で同じ曲でも、全く違う曲に聴こえました。

  黒いタキシードの様なスーツ姿の東儀さんが登場‥。
  凛々しくもその清楚な姿に、少しポーッとなりました。^^;

  「昨年はフランス親善大使としてよくフランスに行き、かなりのフランス通に‥今年はただの人です‥。」
  東儀さんが真面目な顔して冗談を言われるので、会場からは‥笑い声が‥ 。

  雅楽のお話をされた時も「面を着けて舞っていましたが、あれは僕です。」なんて、よく冗談を言われます。

  今回の新しい試みとして、オリジナル曲の弦楽器バージョンを‥
  ご自分は、演奏しないで、作曲家として参加。
  アレンジによって、色々変える楽しみも‥そんなお話もされました。

  次の曲はプログラムの載ってない曲を演奏。
  中村さんのピアノと東儀さんの篳篥演奏で、東儀さんの作った子守り歌を‥
  皇太子ご夫妻の赤ちゃん「愛子」様がご誕生の時、特別番組での中で流れた曲です。
  残念ながら、曲の途中で番組が終わったので、今日はフルバージョンで!
  「どんな夢を見ているの‥」
  両親の優しい眼差しで 眠っている赤ちゃんを見つめている‥
  その温かい思いが 赤ちゃんを包み込んでいるような‥とても 優しい曲。
  ピアノと篳篥の緩やかな揺らぎが、私達にも優しく語りかけているようでした。
  みーちゃんに聴かせてあげたい曲でした。

  シルバーのドレスにレースの羽衣を身にまとった雅美お姉様と、九十九お母様が登場されました。
  お二人の美しさに会場からは、ため息が‥。
  東儀さんよりお二人の紹介の後‥ 3人で「蒼き道の海」の演奏。

  「蒼き道の海」
  唐招提寺2010プロジェクトのために書いた曲です。
  古代、唐招提寺にはたくさんの雅楽曲が奉納されました。
  大陸からの文化が、とても大きな海を渡ってきて今日の雅楽があります。
  唐招提寺からはその道のりや空気を感じます。

  いにしえの浪漫を感じます。
  CDでは二胡の演奏ですが、龍笛での演奏で、しっとりした日本の優雅さを‥
  流石に親子での演奏です。 いつでも息がぴったりです!
  美形親子の演奏に酔いしれました。

  今度はバイオリニストの川井郁子さんが登場され、東儀さんと二人で、あのリ○トンのCM曲を‥

  「There must be an angel 」
  ユーリズミックスのヒット曲をカヴァーした作品です。
  リ○トンのCM曲としてテレビに流れてから思いのほか反響が多く、シングルカットとなりました。
  篳篥にとって非常に難しい曲なのですが、JAZZYなアドリブ感覚も加え、かえって楽しく演奏の
  しがいがあるものに仕上がったと思います。

  本当に楽しい曲です。 ♪ 踊りだしたくなる様な‥
  東儀さんは上着を脱いでの熱演です!
  東儀さんも川井さんも、楽しそうにノリノリで演奏しています♪
  雅楽での雅な演奏とは、雰囲気が大分異なります。
  同じ楽器で演奏しているとは思えませんでした。

  演奏前に東儀さんお得意のジョーク?を交えてお話されました。

  「このCMが流れだしてからは、街で知らない若者にすれ違いざまに口笛でこの曲を吹かれた時は
  嬉しかったです。
  最近、篳篥がよく売れるようです!この会場の90%の人は持っています!
  まだ持っていない10%の人は直ぐに買いましょう!
  このCDには世界初の篳篥用のカラオケが付いています。
  非常に難しいですが、楽しく吹きましょう♪
  ‥このCMでは15秒ほどですがコンサートでは、フルバージョンで演奏します!
  ちなみに僕はリ○トンの紅茶しか飲みません!」

  会場から笑い声が‥ 
  しっかりCDの宣伝もなさいました。

  今度は雰囲気をガラっと変え、美しいミューズ達による演奏。

  「夕なぎ」
  陽が沈んだばかりの海辺が、やわらかい赤かな静かな青へのグラデュエーション。
  海の表情が活発な顔から落ち着いた顔へ変わる時に、心の中の海辺も安らぎに変わる。
  穏やかに自分を包んでくれる空気を意識すると優しくなれます。
  ふっとこぼれ落ちるようにメロディーが湧いて出来ました。

  ピアノ、ヴァイオリン、チェロによる演奏‥
  とても静かな感じです。 楽器の音色が波音のように聴こえました‥。
  静かな夕暮れの海辺、沈みゆく夕陽をただ ぼんやりと見つめている‥
  そこにはただ波音だけが聴こえている‥
  
  続いて東儀さんが登場され、チェロと篳篥だけで‥

  「やさしい気持ち」
  NHKスペシャル「宇宙ー未知への大紀行」の挿入曲として書いた作品です。
  宇宙の中のちっぽけな存在である自分たちの生命を感じたとき、いつでもやさしい気持ちを
  大切にしたいという思いが、この曲を作りました。

  広大な宇宙からすれば、人間はとても 小さい存在‥
  ‥生かされていることに感謝し、自分より小さい生き物、弱いものに対していつくしみの心を持ち、
  常に優しい気持ちで接していきたい、とお話された東儀さんの優しい気持ちが演奏に現れ、篳篥の
  揺らぎある音色と、大藤さんの控えめなチェロ音色が会場を優しく包み込んでいきました‥。 
  
  再び 九十九お母様と 雅美お姉様が 登場され「ニュー.エイジア」を演奏されます。

  「New ASIA(ニュー.エイジア)」
  5枚目のアルバム「trom ASIA」で発表し、最新のアルバム「TOGSM2」には新しいヴァージョンを
  収録しています。
  今や、自他共に認める僕の代表作のひとつだと思っています。 
  古今東西が融合する今のアジア。 
  ニューエイジアたちが担うこれからのアジアの躍動を期待しつつ、いつでも昔からの繊細で優しい
  アジアであり続けてほしい願いを込めてた作品です。
  21世紀という大きな節目を迎える今、とてもふさわしい曲だと思っています。 

  今回は、ミューズたちも参加して洋楽器バージョン。
  CDとは少し趣が変わり、生楽器での演奏‥。
  和と洋が調和して心地良かったです。

  とうとう最後の曲
  東儀 親子3人で、「聖家族」。

  「聖家族」
  ふだんから頭に巡っていたいろいろな旋律が、日本画家の高山辰雄先生の「聖家族」というシリーズの
  絵を目の前にしたとき、流れるように形を結び生まれました。
  家族の和、命、さらに愛すべき自然や宇宙の普遍性に対する想いが、この曲を生ませた気がします。

  周りをブルーの照明で覆い、柔らかい照明が3人を照らし‥
  まるで 月明かりに照らされている感じです。 
  龍笛の優しい響き、篳篥の揺らぎある音色、そして笙の天を射すような繊細な音色が全体を包みこみ
  家族の絆の深さを感じました。
  やがて夜空に変わっていき、そこには星空に包まれている3人の姿が‥

  感動のうちに演奏が終わりました。
  会場からは、惜しみない拍手の嵐が沸き起こりました。
  拍手の嵐の中、3人は退場されていきました。

  いつまでもなりやまない拍手の中、東儀さんが再び 登場されました。

  アンコール 一曲目は「虹の彼方に‥」
  ディズニーの名曲ですが、東儀さんがジャズ風にアレンジ。
  しっとりした大人の雰囲気が漂い、まるでホテルのバーにいる様な感じでした。

  アンコール2曲目「鳥の歌」
  篳篥のソロで 演奏。
  東儀さんも、カザルスの国連での演奏のエピソードを熱く語られました。
  鳥の鳴き声が「ピース、ピース」と平和を願って鳴いているような‥

  篳篥のなんとも言えない揺らぎある音色が会場を包み込んでいきました‥。
  その優しい響きに胸が熱くなっていきました。
  チェロやオカリナとはまた違った感動がありました。
  会場の人達も感動されたようで、いつになく拍手に力が入っています。

  東儀さんもこの力強い拍手の嵐に感動されたようで、もう一曲演奏されました。
  アンコール3曲目 「ふるさと」
  静まりかえった会場で篳篥の音色が響き渡っていきます。
  田舎ののどかな田園風景‥
  雪に覆われた山里の萱葺き民家、囲炉裏端の温かい火が心地良く‥ 
  日本の童謡には、和の楽器です!
  そのしっとりした音色が優しく身体を包み込んでいきました。

  アンコールの3曲が終わると、会場の人達があっちこっちで総立ちになり拍手の嵐が‥
  泣いている人も私の周りだけでも数名いました‥。
  私の隣の席の人も涙していました。
  何人かの人が東儀さんに「ありがとう!」と‥
  その言葉に答えるように、東儀さんは胸に手を当ててお辞儀をされました。
  そして後ろの客席の人達に手を振って、笑顔で去って行かれました。
  東儀さんが去った後も余韻に慕っている人達が多く、なかなか席から離れようとはしませんでした。
  私もなかなか離れられませんでした。^^;

  最後にロビーに飾ってあるテディベアを見て帰ろうと想いました。
  このテディベアの狩衣の衣装は、東儀さん達の雅楽の衣装と同じ京都のお店で特別仕立てで
  作られたようです。
  テディベアの大きさに柄を合わせ、絹糸一本から織るところから始めたようです。
  手間ひまがかかっているのです。
  楽器も演奏できる本モノです。 それぞれ駒笛と篳篥を持っています。 
  近くで本モノの雅楽の楽器を見るのも初めてなので穴があくほど見ていました。 
  ぬいぐるみだからといって、決して余り布では作らない‥ こんな所にも東儀さんのこだわりを感じました。

  いつまでもコンサートの余韻に浸っていました。
  また秋のツアーが楽しみです。
  今度はどんな内容で感動させてくれるでしょうか‥。



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